目指すは一時間半ほど車を走らせた未知の土地。
地図を眺めながら、それらしき水辺を散策。
田畑と川しかないド田舎。
何度も車を停め、周辺をキョロキョロし、移動を繰り返す。
もしパトロール中の警察の目に入れば、確実に不審者。
その地域の人たちに見られても、無駄に不安を煽る怪しいヤツ。
そうならないために、毎度毎度、いちいち、釣竿を車から出して素振りなんかして釣人アピールで潔白を示す。
近隣のおばあちゃんに不安を与えない為のせめてもの努力。
全く世の中おかしくなったもんだ。
近年、田舎で起こる異常な犯罪のおかげで自分まで思考と行動がおかしくなってきた。
午後3時ごろ。
なんとかブラックバスの気配が感じられる場所を見つけ、水辺でキャストを始める。
が、なにか集中できない。草むらをかき分け、さらに良きポイントを探るが、やはり集中力に欠ける。
そしてついに我慢の限界が訪れる。原因は一つに絞られた。
虫だ。とにかく虫だらけ。服にも空中にも視界の全てに虫がいる。昔は気にならなかったが、あんなもん余裕で正気を失う。
形も大きさも多種に及ぶ完全なる虫の王国。
トドメは蜂。首がチクッとしたので手で払うと蜂だった。
もう何十年も船釣りをしてきて快適のスタンスで野生力を削がれたのか?
野生のど真ん中の過酷を思い知る。
その場所が特に立派な虫の国だったと言う事実はあったが、ここまでへッピリ腰になった自分に幻滅。
逃げるように撤退を余儀なくされたこの日。
妙な虚しさに襲われた。
さらに帰り道で交通事故を見てイヤな気分が追い打ち。
完全なる不完全燃焼な一日となる。
今年はまさにやることなすこと八方塞がり。
この日の釣りの苦味をどのように味わい深く愉しむかは今後の焙煎とドリップ次第。
コーヒーも魚も好みはブラックだけに…

